大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和28(あ)4830 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人奥江秀一の上告趣意(後記)第一点は、判例違反を主張するけれども、刑

訴三二一条一項二号但書にいう「公判期日における供述よりも前の供述を信用すべ

き特別の情況」が存するかどうかの判断は、事実審裁判所の合理的な裁量にまかさ

れているものと解すべきことは、当裁判所の判例(昭和二八年(あ)五四七六号同

二九年七月二〇日言渡第三小法廷判決、昭和二六年(あ)一一一一号同年一一月一

五日言渡第一小法廷判決、昭和二五年(あ)一六五七号同二八年七月一〇日言渡第

二小法廷判決)とするところであり、従つて原審が所論Aの検察官事務取扱検察事

務官に対する供述調書謄本の証拠能力を認めたことは、当裁判所の判例並びに論旨

引用の高等裁判所の判例と相反する判断をしたものではないから、論旨は理由がな

い。その他の上告趣意は、事実誤認又は量刑不当を主張するものであつて、刑訴四

〇五条の上告理由に当らない。

また記録を精査しても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により主文のとおり判決する。

この判決は、裁判官全員一致の意見である。

昭和三〇年五月一〇日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

- 1 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!